図書室の一日2014年09月02日

図書室の情景
 今日は東工大二日目で、はじめて田町の事務的な会合に出席しました。すると、議題の一つに、狭い田町の図書室がいっぱいになっているとの話が。
 大学の教員は、著書を寄贈されたり、自由に図書が買えるので(最近役所も好きな図書を買えるようになったようですが、昔はほとんど自由はありませんでした。)、どの先生の部屋に行っても本と雑誌であふれています。教員室はもとより、田町は小さな所帯なので、それに見合った小さな部屋の図書室は貴重な雑誌や論文集であふれてしまっているのです。
 最近は雑誌も電子化が進んでいるので紙でそろえる必要はなく、書籍もPDF化すれば実物は必要ありません。このため、図書室を閉める大学の研究科があるとのことでしたが、我々の世代ですと、主要な教科書や参考文献は手元に持っておきたいというところです。しかし、確かに論文の検索はwebの方が便利ですね。
 教員になる前、大学の先生の部屋に遊びに行くと、まず本棚に何を置いているかを興味深く見てしまうので、気分を害した先生もおられたかもしれません。印象論であえていえば、研究熱心で現場を飛び回る先生の何人かの部屋は散乱していて、そういう先生はどういう本を棚に置いているかもよくわからない、という状況でした。(○○先生、あなたのことです。)もちろん美しい研究室をキープされている先生は多数おられます。
 東工大MOTは、知財関係でも貴重な文献を設立以来そろえているようで、それらの今後の帰趨は、我々知財マネジメント担当教員に任されました。そこで、早速図書室に行くと、海外の知財関係論文や知財法制の解説書など、素晴らしいストックがありました。しかし、知財制度は生き物なのでどの程度改訂されているかで価値が変わってきます。
 日本の昭和34年知財改正法以降の基本的教科書はほぼそろっているように思えました。スペースを空けるため、意匠と商標の文献は橋本研で引き取ろうかと思っています。古本屋でもなかなか買えない貴重な本もありますが、理解者がいなければ捨てられる本もあるでしょう。デジタル時代の図書館はどうなっていくのか、小さな図書室から見た図書と図書館の未来でした。