デジタル時代のメディア戦略2014年12月23日

昨日のKIT虎ノ門サロンに久しぶりに参加して来ました。少し遅れて到着したところ、満席です。

http://www.kanazawa-it.ac.jp/tokyo/toranomon/tranomon-salon/1197976_2800.html
今夜は出版メディアに携わる「賢者」たちが、デジタル時代を縦横に駆け抜けようとしている実感の感じられる講演が続きます。
終了時間が名残惜しい最後のパネルも圧巻です。急遽モデレータに指名された田中 裕士氏(株式会社文藝春秋 ウェブ事業部長 CREA WEB編集室長 本の話 WEB編集長)の名司会ぶりは、本来のMC赤羽良剛氏の存在をおびやかすほどでした。特に田中さんから質問が集中した藤村 厚夫氏(スマートニュース株式会社 執行役員 シニアヴァイスプレジデント)の、一こと一こと確かめるように語る口調には引き込まれました。40人の精鋭が集うベンチャー企業、「スマートニュース」はデジタルメディア(ではなく、モバイルメディアと言うのだそう)の未来を拓いていることを実感しました。瀬尾 傑氏(株式会社講談社 現代2020企画部部長 『現代ビジネス』編集長)のジャーナリズムにこだわる生き方にも共感も持ちました。瀬尾氏がフライデー記者をしていた時のスクープ、ノーパンしゃぶしゃぶ報道が財金分離を促したという話には感慨を覚えます。
 一方で、デジタル時代のメディアで活躍する方々であるからこそ、田中氏のリアルな書店に対する思いや、三氏の紙媒体書籍への情熱もひしひしと感じました。特に、藤村 厚夫氏の「もうひとりの人生を生きる」は、小説を読む者の人生へのインパクトを語った言葉ですが、とても納得させられました。
 終了後、少々お時間をいただいてご挨拶させていただきました。私の質問「藤村さんの会社のエンジニアはどういうキャリアの方ですか?」に答えて、「スマートニュース」の特徴的な、記事抽出の機械エンジンを支えているエンジニアが、IT出身だけでなく、素粒子をはじめとする純粋科学の研究者が多いと聞いて納得しまし た。WEBサイエンスやネットワーク分析のできるIT技術者・科学者が足りない(東大のこれを扱う研究室出身者がひっぱりだこ)という話を坂田一郎東大教授に聞きましたが、能力ある研究者はたくさんいるのです。彼らを鍛えて、世の中を変えてもらいましょう!(そういえ ば、東工大の数理科学を出て、私たちのイノベーションマネジメント研究科でファイナンスを専攻した人たちは銀行や保険業界でご活躍中です。これも同じことですね。)