ある日の僥倖2015年10月06日


 秋の爽やかな風が心地よい先週の週末、新しく入手した一眼レフカメラの試運転も目的に、石神井公園に向かった。この日はとても幸せな一日だった。石神井公園駅に着いたのがちょうどお昼過ぎ。公園の池のほとりに焼き鳥を出す店や、池沿いの道にしゃれたレストランもあるが、それまで持ちそうにないので、駅前の店を探した。ちょっとこきれいで小さな蕎麦屋に惹かれて飛び込んだところが、中が意外に広く、とてもいい雰囲気の店。蕎麦で一杯やりたくなるような日本酒のメニューが並んでいる。後で調べたところ、鳥取の酒造が経営しているお店だそうな。どおりで。残念ながら生ビール一杯で我慢したが、次回は是非この稲田やで「稲田姫」を一杯やりたい。
 おなかが落ち着いたところで、家族みんなで公園のどんぐり拾い。いろいろな形のどんぐりを探しながら公園の遊歩道を進むうち、きれいになった屋外ステージから吹奏楽が聞こえてくる。老若男女の混成吹奏楽団で、地元の人たちと思いきや、都立大泉高校のOB(OG)会の楽団とか。いつもはサマーコンサートをやっているが、ステージのリニューアルを機に「秋の」サマコンを企画したのだ。アンコール2曲も含め一時間弱のミニコンサートを楽しませていただいた。楽団の皆様、どうもありがとう。 
三宝寺の翡翠
 もうすぐ日が三宝寺池奥の小高い丘の木々にかかってしまうという時間になったが、その方向へ少し歩きだす。ここは緑が濃くて淵もほの暗く、遠い山の湖のほとりに出てきたと錯覚してしまう場所だ。ここには翡翠(カワセミ)が生息していて、その素早く水面をかすめる瞬間をカメラに収めようと、何人ものセミプロカメラマンが放列を作っているときがある。今夕は暗くなりつつあるので人もまばらだったのに、いた!まるで誰かがセットしたようにほどよく曲がった細長い枝にとまり、じっと水面をにらんでいる小さな鳥。夕日の中で美しい羽根の色は遠くからは見えにくいが、確かに翡翠だ。
 新しいカメラを始めて持ち出した日に、翡翠君に会えるとは何たる僥倖。だいぶツキを使ってしまったかもしれない。