うれしい一日(知財ビジネス会議2014)2014年09月04日

 IPBC日本2014という会議に招待されたので朝から参加して来ました。この招待は日本知財学会で活動しているおかげです。
 本会議は初めての日本開催で、HP(http://www.ipbusinesscongress.com/japan/2014/Default.aspx)によれば、「IPBC日本では、日本の一流の専門家をはじめ、欧米有数の知的財産のオピニオンリーダーが参加し、知財価値創造の最先端で活動する実務家がケーススタ ディを紹介します。IPBC日本は、世界の優れた活用事例に関する知見を得る貴重な機会を出席者に提供します。さらに、出席者が最大限の恩恵を受けられる ように、行政、学術、司法の各方面の著名人の見解に接する場が設けられます。」とあります。
 実際、冒頭基調講演の伊藤仁特許庁長官をはじめ、渡部俊也先生をモデレータにしたパネルでは、キャノンの知財担当執行役員の長澤健一さん、元知財協理事長のソニーの守谷文彦さんが登壇しているなど、この世界のそうそうたるメンバーが参加されています。海外からもMicrosoft,Qualcomm、Ciscoの知財責任者など、著名人が集まっている会議です。あまり有名人が多いので、プレゼンが一人10分という短さでしたが、それぞれ特徴を持った議論を展開されていました。
 伊藤長官は私の経産省同期の良心派のひとり(?)ですが(同期では、「イトウジン」で通っています)、着任2か月ほどで、すでに自信を持って知財制度の講演をされていました。さすが経産官僚(あたりまえ?)。中座したので最後の飯村敏明前知財高裁所長と米国CAFC(特許を管轄する連邦巡回区控訴裁判所)のRandall R Rader 元Chief Judgeのお話が聞けなかったのは大変残念でしたが、飯村さんとは久しぶりに会ったので、ブレークに知財高裁と特許庁の審査官との交流などについてお話ができました。
 会議では、参加者がこぞってここ10年程度の知財の状況の激変(ITの進化等による知財の急増と、個別知財の価値の変化)を挙げ、ベニスで初めての特許付与から500年余続いてきた制度がついに最近根幹から変わることを求められているのではないか(渡部先生)との指摘が各氏から相次ぎました。伊藤長官、大変ですが制度改正に向けて頑張ってください。
 さて、ランチの時に一人の若者がご挨拶に来られました。彼はある大企業の知財部員ですが、現在東大TMI(技術経営戦略専攻)の社会人博士に通っています。この進学のきっかけが、なんと私が昔DNDに連載したコラムの「社会人博士のとりかた http://dndi.jp/21-hashimoto/hashimoto_n30.php」だったのです。びっくりですね。とてもうれしくなって、書いていないエピソードをくどくど申し上げてしまいました。F君、すみませんでした。是非東工大の講義を覗きにきてください。
 会場では、鮫島正洋弁護士ほか、旧知の方がたくさんおられたので、新しい東工大の名刺をお渡しできました。(お渡しできなかった方すみません。)東工大MOTと聞くと、現在や過去に講義をしていただいた方がたくさんおられたのも驚きです。お世話になっています。改めて来年度からお願いしますので、ご覚悟よろしくお願い申し上げます。
 ともあれ、知財マネジメントについてとても勉強になる1日でした。主催者のIAM様はじめとする皆様に厚く御礼申し上げます。F君も研究頑張ってください。