オリンピック・パラリンピックと商標2014年09月23日

日本知財学会誌の最新号は「知的財産と東京オリンピック・パラリンピック」特集号です。特集論文の中には拙著「オリンピック・パラリンピックと商標」も掲載されています。東工大教授の名前で初めて出した論文です。皆さん、知財学会の会員になって是非お読みください。(もちろん図書館でも読めますが)
この学会誌は、東大の社会人博士課程に在学中に、最初に投稿、掲載していただいた雑誌でもあります。24ページにもわたる大?論文で、その号(Vol.5 No.1 2008)だけやけに厚くて申し訳ない気持ちになったことを覚えています。その後同誌には投稿していませんが、今回のような特集号には意匠、商標に関する何篇かの論文を載せていただいています。
オリンピックはスポーツ競技会の最高峰です。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて世の中の関心が高くなるにつれ、様々な企業がこれと連動してPRを行っていくことが予想されます。一方で、「オリンピック」の文字、五輪マークなどはIOCらの当事者が商標登録していて、第三者が許諾なく使うことは許されないことです。しかし、オリンピックなどの文字が含まれるからと言って、必ずしも商標登録が拒絶されてきたわけではありません。こうした商標法上の扱いについて整理したのがこの論文です。日本におけるオリンピック・パラリンピックと商標法の規定、運用について歴史的に概観し、その関係を明らかにしたもので、2020年に向けた政府の対応にも言及しています。